2005年12月20日火曜日

釈尊の人柄(3)真実の探求

釈尊は国王である父親の配慮により、外見の上では幸福そうな生活を送つているように見えたのであるが、釈尊の実生活の上では決して安らかなものではなかつた。釈尊は幼少の頃から、この世の中に果たして真実があるのか、ないのかという問題に関心が深く、もしあるものであれば,何としてでもその真実を得たいと考えていた。したがつて美しい配偶者を娶り、一男子を得た後も、出家をすべきか否かという問題が絶えず釈尊の頭を悩ましていた。釈尊は父親の計らいで、成年に近ずくまで城外に出ることが自由でなかつたが、たまたま
王城の東の門から出た処が、極めて惨めな様子をした老人に出会い、慌てて南の門から出た処が、重病に苦しんでいる病人に出会い、更に西の門から出ようとした処が、死者の葬儀に出会つたと云われている。そこで更に北の門から出ようとした処が、其処でお袈裟をかけて静かに歩いている僧侶の姿を見かけ、更に出家への希望を深められたと云われている。