2005年12月10日土曜日

行いの哲学(3)現象学

またドイツの哲学者フツサールは観念論哲学が単に個人の意識内容だけに固執し、また唯物論が外界の物質的な側面だけに固執することに満足することが出来ず、個人的な主観と客観的な環境との接点である現象の中に、この世の中の実態を捉えようとした。そしてこのように個人的な主観にも偏らず、客観的な環境の問題だけに固執せず、主観と客観との接点である現象そのものの中に、哲学の中心を据えようとした現象学の態度も、観念論と唯物論との一面性を離れ、現象という現在の瞬間における事実そのもの中に、われわれが現に生きている現実の実態を知ろうととした点で,やはり行いの哲学の一部と考える事が出来る。