2006年8月22日火曜日

ドーゲン・サンガ(6)ドーゲン・サンガ ニシジマの場合

私は昨年の六月に腰椎の圧縮骨折を経験した後、市川市にあつたドーゲン・サンガの道場を閉鎖して、東京の高島平に移り、一切の公職から離れてたつた一人の個人生活を始めた。しかしドーゲン・サンガの生活は続いているので、その概要を述べて見たい。
(1)起床:起床時間は特に決めていない。前日早く寝たために、五時頃起きることもあれば、前日遅かつたためにゆつくりと寝て、七時頃起きることもある。
(2)マツサージ:老齢の結果、皮膚が荒れ易くなつたので、必要な箇所にオリーヴ油を塗る。その間、外国語練習のテープを聞く。
(3)洗面:洗面の時に、頭を電気カミソリで毎日剃る。洗面に関しては、道元禅師が正法眼蔵の中で詳しく指示しておられるから、出来るだけそのご趣旨に従う。しかし歯ブラシや歯磨きに関しては、もしも道元禅師がその存在を知られたら、非常に喜ばれたであろうと考えられるものも、現在では多い。
(4)外国語の練習:高島平に移つてからは、人と話をする機会が殆どなくなつたので、人からの声を聞く事が本能的に必要であると見えて、自動的に外国語の練習が始まつた。現在はテイーチ・ユアセルフという外国語の自習書を、毎朝二ページ宛読んでいる。自分の年齢から考え、到底ものになるとも思えないけれども、勉強する事自体が楽しい。現在はフランス語を手がけている。
(5)体操:高等学校時代に陸上競技の準備運動として始めた体操を、今でも続けている。腰椎を折つてからの回復にも、役立つて居るように思う。内容はラジオ体操に似た一連の体操の連続である。
(6)坐禅:坐禅を始める前に、お袈裟を畳んだ侭頭の上に載せ、お袈裟を礼拝する詩を唱える。正法眼蔵の中では、声を出さずに唱えることになつているが、私の場合、講義を止めてから、声を出す機会が非常に少なくなつたので、敢えて声を出して唱えることにしている。内容は、
大哉解脱服 (だいさい げだつふく)  無相福田衣 (むそう ふくでんえ)
披奉如来教 (ひぶ にょらいきょう)  広度諸衆生 (こうど しょしゅじょう)
意味は、「偉大なる哉、自由の服  定まつた姿を持たない幸いの服  自分は今その釈尊の教えを身に着けて 広く生きとし生けるものを救いたい。」という趣旨である。釈尊の教えは、単なる思想でもなければ、単に形式を真似する事ではなく,日常生活の中に於ける行為の実行が全てである。したがつてこのような詩句の唱和も、実際に実行して見る処に意味があるのであつて、想像しいる場合と実際に唱和することとの間には、極めて明白な次元の違いがある。
坐禅そのものに就いては既に述べたので、重ねて述べる事をしない。但し腰椎骨折後の回復に関しても、坐禅が威力を発揮しているように思う。
(7)血糖値の測定:糖尿病を予防するため、朝食前に血糖値を測る。
(8)朝食:予め発芽玄米を買い置き、電気炊飯器で炊く。副食は食品店で買い、野菜は自分で切る。食事を始める前に,五観の偈を大きな声を出して唱える。
五観の偈は
一つには功の多少を計り彼の来処を量る (ひとつには こう の たしょう を はかり かの らいしょ を はかる)
(意味)自分がどの程度の仕事をしたかを考え、食物が調達される迄に人々が費やした労力を考える。
二つには己れが徳行の全缺を忖つて供に應ず (ふたつには おのれが とくぎょう の ぜんけつ を はかつて く に おうず)
(意味)自分の道徳的な行いが全く欠けていること考えながら、お食事を頂く。
三つには心を防ぎ過を離るることは貪等を宗とす (みつには しん を ふせぎ とが を はなるる こと は とん とう を しゅう とす)
(意味)頭で問題を考え過ぎることを避け、間違いを遠ざける為には、欲張り、腹立ち、愚痴を防ぐことが、第一である。
四つには正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり (よつには まさに りょうやく を こと と する は ぎょうこ を りょうぜん が ため なり)
(意味)身体に最もよい薬であるお食事を頂くことは、身体が痩せ細ることを、防ぐ為である。
五つには成道の為の故に今此の食を受く (いつつには じょうどう の ため の ゆえ に いま この じき をうく)
(意味)仏道修行の目的を達成する為だけの目的で、今このお食事を頂く。
(9)ブログの作成:先ず日本語のブログを作成し、次いで略同じ内容の英文によるブログを作成する。ブログのアドレスは日本文の場合、http://gudoblog-j.blogspot.com/ であり、
英文の場合、http://gudoblog-e.blogspot.com/ である。
(10)イーメイルの受発信:必要なイーメイルの受発信を行う。
(11)歩行:運動不足を補うため、三キロ程度の距離を毎日歩く。
(12)夕食:健康保持の為一日二食としているが、内容は殆ど朝食と同じである。
(13)読書:夕刊を読んだ後、時間があれば読書をする。
(14)入浴:毎週月曜日と金曜日とにヘルパーが来て、掃除、洗濯、食器洗い等をして、同時に入浴の準備をするので、その時に入浴する。
(15)就寝:その日における仕事の大小に従い、大体九時から十一時半位の間が多い。