2006年12月26日火曜日

普回向

普はあまねく、何にでもの意味であり、回向とは廻して向かわせるの意味である。したがつて普回向とは何らかの努力の結果得られた成果を、この世の中の一切のものに振り向けるという意味であり、例えば仏道の講義が終わつた後で、仏道の講義から生まれた成果を、あらゆる一切のものに振り向けるというような願いを込める際に、使われる。そして単に仏道の講義の際だけではなく、読経の終わつた後や会議が終わつた後などにも使われる。

普回向(ふえこう)

願(ねが)わくは此(こ)の功徳(くどく)を以(も)つて、普(あまね)く一切(いつさい)に及(およ)ぼし、我等(われら)と衆生(しゅじょう)と、皆共(みなとも)に仏道(ぶつどう)を成(じよう)ぜんことを。
十方(じーほー)三世(さんしー)一切佛(いーしーふー)
諸尊(しーそん)菩薩(ぶーさー)摩可薩(もーこーさー)
摩可(もこ)般若(ほじゃー)波羅密(ほろみー)

(意味)

若しも願うことが可能であるならば、今此処に積み上げた成果を、広く一切のものに及ぼし、われわれ自身と全ての生物とが、皆一緒に釈尊の教えを達成する事が出来るように願いたい。
あらゆる方角における過去,現在、未来のあらゆる仏(ほとけ)
多数の仏道修行者、偉大な人々
真実に向かう為の偉大な知恵

以上に掲げた五観の偈、頂戴袈裟の偈、開教偈、及び普回向に就いては、21世紀以降と云えども、佛教教団における仕来りとして、ドーゲン・サンガにおいても、継承して行くべきものであると考える。